嚥下の基礎知識

嚥下のメカニズムから
嚥下食に求められる物性、
とろみやミキサー食の作り方まで、
嚥下の基礎をわかりやすく解説します。

お粥について知ろう!

お粥の“べたつき”に注意!

やわらかい食べものの代表格であるお粥は、嚥下食としてそのまま使用することができると思っている方も多いのではないでしょうか?

お粥のべたつきに注意

要注意!お粥は、主成分であるでんぷん由来のべたつきで、飲み込みにくい場合があります!

べたつきの比較

アクリル板を使って、お粥のべたつきを比較してみると、お粥、ミキサー粥、とろみをつけたミキサー粥は、いずれもアクリル板にべったり張り付いて残留しているのがわかります。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会が作成した嚥下調整食分類2021 では、コード1jやコード2のお粥は、でんぷん分解酵素(アミラーゼ)でべたつきを抑え、ゲル化材を使ってゼリー状にする必要があると記載されています。

ミキサーにかけただけのお粥は、糊状となってしまい適切な物性ではないのです。ミキサー粥にとろみ材でとろみをつけてもべたつきを抑えることはできないため、適切とは言えません。

ミキサーにかけただけのお粥

ポイント!コード1jやコード2のお粥は、酵素入りゲル化材を使って、べたつかずまとまりのある嚥下食にしましょう!

みんなが悩んでいる!お粥の“離水”

お粥を食べていると、だんだん水っぽくなって食べにくそう…出てきた水を捨てている…ということはありませんか?

要注意!その水分、お粥の“離水”によるものです!!

お粥の離水

お粥の“離水”は、お粥の主成分であるでんぷんが、私たちの唾液に含まれているでんぷん分解酵素(アミラーゼ)によって分解されることで起こります。

ニュートリーが実施した医療・介護従事者へのアンケートでは、約半数の方がお粥の“離水”にお悩みを感じています。

お粥についてのお悩み

お粥のお悩みについての円グラフで、お粥のべたつき15.5%、お粥の離水47.0%、物性が安定しない34.9%、その他2.7%

【調査概要】調査名:学会分類(主食)を徹底解説セミナー セミナー後アンケート/調査期間:2021年5月14日から2022年3月25日/対象:学会分類(主食)を徹底解説セミナー参加者/調査方法:WEB/回答数:594件/調査主体:ニュートリー株式会社

嚥下調整食分類2021 のコード3のお粥は、この“離水”に配慮する必要があると記載されており、次の3つの対処法が挙げられています。

  • お粥を別の容器に取り分けながら食べる
  • お粥にとろみ材を加える
  • 酵素入りゲル化材を使い、酵素を作用させてゼリー状にする

酵素入りゲル化材を使った簡単!離水対策

酵素入りゲル化材の中には、お粥を炊く時に一緒に入れて炊くだけで、離水に配慮したお粥が作れる製品があります。簡単に離水対策ができるためおすすめです!

お粥を炊く時に一緒に入れて炊くだけで離水に配慮したお粥が作れる

酵素入りゲル化材を使って、飲み込みにくいお粥を
飲み込みやすい嚥下食に調整しましょう!

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