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とろみ自動調理サーバーの導入でとろみ茶作りの業務負担が軽減
とろみのバラつき是正や、とろみ飲料の種類が増えるメリットも!

丹沢・大山の豊かな自然が広がり、鮎釣りで有名な相模川が流れる神奈川県厚木市。そんな厚木市に位置する「相州病院」は、地域の精神科診療の中核を担う病院です。認知症治療病棟には常時40人以上の患者さんが入院しており、1日5回のとろみ茶の提供にかかる業務負担が大きいという課題を抱えていました。そこで導入したのが、「とろみ自動調理サーバー」です。導入を決めた背景や使用する中で感じたメリットなどについて、お話を伺いました。

医療法人社団 青木末次郎記念会
相州病院 看護部長

精神科認定看護師
福岡ふくおか とおる 先生(写真中央)

お話を伺った方

手作業による負担が大きかった
1回8Lのとろみ茶作り
とろみ自動調理サーバー導入で
作業時間が半分に

当院の認知症治療病棟には、とろみ茶の提供が必要な患者さんが40人ほどおります。1日のお茶の提供回数は朝食、昼食、夕食時に加え、10時と15時の計5回。1杯の量は200~300mLですが、 提供数が多いため、1回あたりに作るとろみ茶は8L以上になります。手作業の場合、ワゴンに約40個のコップを並べ、大きなやかんでお茶を注いだ後、1杯ずつとろみ材を入れてとろみをつけていました。1人で作ると、それだけで1時間近くかかる作業量です。1日に5回発生するこの業務をどうにかして効率化できないかと、前任の看護師長が色々と調べる中で、自動でとろみ飲料を作れる「とろみ自動調理サーバー」の存在を知りました。

早速、とろみ自動調理サーバーを取り扱っているアペックスに問い合わせ、デモ機を1週間ほど使わせてもらったのですが、一度に2Lのとろみ茶が自動で作れ、好みの温度に設定ができ、とろみの性状も均一にできる点が現場からすごく好評でした。デモ機によって様々なメリットを実感できたことが決め手となり、2台のサーバーを導入することになりました。

手作業でとろみ茶を作っていた時は、沸かしたお茶をいったん冷ましてからとろみを付けていたので、それも含めるとかなり作業の簡略化につながっています。サーバー導入によって作業時間が約半分に短縮され、患者さんのケアに当てられる時間も増えました。とろみ茶作りをサーバーに任せている間に患者さんの爪切りをしたり、患者さんのご要望にすぐに対応できたりと余裕が生まれたのは、本当によかったと感じています。

マニュアルがなく、
バラつきがあったとろみの粘度
サーバーのとろみがスタッフ間の基準に

手作業でとろみづけを行っていた時は、マニュアルなどはなく、先輩から後輩へ口伝で作り方が教えられていました。とろみの濃さについても「とろみうっすら」「とろみのゆるめ」のように感覚的な表現を使っており、同じ薄いとろみでも表現の仕方は人によって違っていました。患者さんによって微調整が必要なこともあるのですが、感覚頼みなので教えるのが難しく、教えられる側も習得しにくいという状況で、どうしても作る人によってとろみの性状にばらつきが出てしまっていました。

とろみ自動調理サーバーで作るとろみ飲料よりも濃いとろみが必要な場合は、今も手作業でとろみを調整しているのですが、サーバーのとろみがスタッフ間の基準になっているので、人によるばらつきはだいぶ軽減されたと思います。サーバーを使うようになったことで、手作業でのとろみづけの基準ができたかたちです。

とろみ茶は作り立ての時は緩く感じてしまい、濃いめ濃いめに作ってしまいがちです。新人の場合は、とろみ材をつぎ足すうちに飲めないほどとろみが濃くなってしまい、何回か作り直すこともあります。そのため、全て手作業で作っていた時はとろみ材の使用量も多かったと思います。とろみの性状を均一化できただけでなく、とろみ材の使用量が適正化できた点も、サーバー導入によるメリットだと思います。また、これまでは水分補給のために栄養課で作ったお茶ゼリーや市販の水分補給ゼリーも提供していたのですが、サーバーによるとろみ飲料に切り替えたことでコストダウンにもつながりました。

諦めていた炭酸飲料へのとろみづけが可能に
好きなものを飲める喜びを患者さんへ

とろみ自動調理サーバーでは8つのボタンそれぞれにレシピの設定ができ、当院では「麦茶」「ほうじ茶」「塩とライチ」の3種類の飲料で使用しています。主に麦茶とほうじ茶を2段階の粘度で提供しており、塩とライチはあまり水分が入らない患者さんに出すための特別メニューです。定番メニューにしたらそればっかりになってしまいそうなほど人気なので、スタッフが「じゃあ特別ね」と言って持っていくと、水分摂取が進まない患者さんも比較的飲んでくれます。手作業の時と比べてとろみ飲料の種類が増えた点は、患者さんの満足度向上につながっていると思います。

サーバーで使用しているとろみ材「ソフティアシリーズ」はどんな液体にもとろみがつけられるため、炭酸飲料にもとろみをつけています。これまでも炭酸飲料にとろみをつけようとしたことはあったのですが、とろみ材を入れてかき混ぜるとブクブク泡立って炭酸が完全に抜けてしまい、うまくいきませんでした。炭酸は難しいだろうなと思いつつ、サーバーを使ってチャレンジしてみたところ、とろみをつけることができたんです。もちろん、まったく炭酸が飛ばないわけではないんですが、予想より炭酸が残っていました。サーバーの撹拌速度をゆっくりに設定してつくったので、炭酸が抜けにくかったのだと思います。

認知症治療病棟で月に1度行っているレクリエーションでは、年に2~3回、コーラやサイダーを提供しているのですが、とろみがないと飲めない患者さんには炭酸飲料を提供できていなかったので、提供できるようになって本当によかったです。好きなものを飲めるというのは、患者さんにとって嬉しいことだと思います。諦めていたことを実現でき、患者さんにも喜んでいただけて、私たちスタッフも嬉しく思っています。

「とろみ自動調理サーバー」の導入をご検討の方へ
「デモ機を設置してみたい」「詳しい話を聞きたい」という方は、
お気軽にご相談ください。

※ニュートリー株式会社の
お問い合わせフォームへ遷移します。

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