嚥下食取り組みレポート

嚥下食の最新トピックスや嚥下食作りにおける課題解決のための試みなど、他ではなかなか聞けない取り組み事例をご紹介します!
より良い嚥下食をより簡便に作るヒントを見つけてください!

「もう一度、ケーキを食べさせてあげたい!」家族の願いに寄り添って みなみ在宅クリニック(高知県高知市)

入院中に老衰の兆候が進行し、ご自宅での生活を選択されて、在宅療養となった方への食支援を担当しました。飲み込みが難しく食形態の向上は見込めず、食事はゼリーが中心で、退院後もご自宅で同様の食事を続けておられました。介入当初は水分摂取量が少なく、点滴を併用している状態でした。そこで水分補給を最優先に考え、頻回摂取をお願いしたところ、ご家族や訪問看護師の協力もあり、少しずつ飲水量が増え、点滴を外すことができました。

その後、ゼリーや飲料を組み合わせることで、基礎代謝量程度の最低限の栄養量を摂取できるようになり、食事量も徐々に安定していきました。するとご家族から「本人が食べたいものを食べさせてあげたい」という要望があがるようになりました。
訪問を重ねる中で「入院前に誕生日ケーキを食べて以来、ケーキを食べていない。」「クリスマスが近いので、ペースト状ではなく、形のあるケーキを食べさせてあげたい!」という想いをうかがい、なんとか形にしたいと考えました。そこで言語聴覚士にも相談しながら、ソフティアGを使った嚥下食ケーキのレシピを参考に、試作を重ねました。

クリスマス当日、完成したケーキを提供すると、認知症状がある中でも、ご本人が私の方を向いて「ありがとう」と声をかけてくださいました。ご家族も「好きなケーキを作ってくれたよ。見てみて」「食べよう」と何度も嬉しそうに声をかけておられました。

その1か月後に体調を崩され、このケーキが最期のケーキとなりましたが、ご家族から「最後に食べさせてあげることができて本当に良かった」とのお言葉をいただき、取り組んで良かったと心から感じました。

これからも、最期のお食事に関わる管理栄養士として、ご家族に寄り添いながら、笑顔や安らぎにつながる食支援を続けていきたいと思います。

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