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いつまでも健康でいたい!世界中で注目集める地中海食のすすめ

地中海食は「本来あるべき体型を維持し、健康になるための食事」

生きていく上で大切なものはたくさんありますが、中でも1つだけと言われると「健康」を挙げる人は多いのではないでしょうか。日々の幸せを感じることができるのも、また美味しいものを食べることができるのも、体が健康であるからこそです。

健康を維持するためには、やはりきちんとした食生活を送ることが大切です。「体は食べ物でできている」とはよく言われる言葉ですが、美味しいだけでなく、体のことを考えたバランスの良い食生活を送ることが、今後の健康を大きく左右することになります。

さて、そんな健康を維持するための食事として、近年世界中で注目を集めているのが「地中海食」です。地中海食とはイタリアやギリシアなど地中海沿岸の国々で昔から食べられている伝統的な食事のこと。具体的には、以下のような特徴があります。

・野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類の摂取量が多い

・魚介類を適度に(習慣的に)摂取する

・肉類の摂取は控えめ(時折、鶏肉を食べる程度)

・乳製品の摂取量は控えめ、もしくは適量程度

・飽和脂肪酸を避け、オリーブオイルの摂取量が多い

ちなみにこの「地中海食」は「Mediterranean Diet」(地中海式ダイエット)という言葉の訳語であり、痩せるための食事として認識されることもあります。

しかし「Diet」(ダイエット)は本来「栄養面からみた食習慣」を意味する言葉であり、一般的に知られている「痩せること」とは少し意味合いが異なります。地中海食も同様で、痩せるための食事ではなく「本来あるべき体型を維持し、健康になるための食事」なのです。

地中海食と健康の関係とは

一口に「健康」と言っても、その意味するところはさまざま。地中海食は私たちの体に、どのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。

地中海食が世界的に注目されるようになったのは、1958年に米ミネソタ大学のアンセル・キース博士によって行われた研究がきっかけと言われています。当時アメリカでは、虚血性心疾患(いわゆる狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全など)が死因の中で非常に高い割合を占めており社会問題となっていました。

一方、イタリアなど地中海沿岸諸国ではその発症率が非常に低く、また第2次世界大戦直後の非常に貧しいヨーロッパの国々でも一時的に心疾患が減少するという現象が起こっていました。

こうした事実に着目したキース博士は、イタリア、ギリシア、旧ユーゴスラビア、オランダ、フィンランド、アメリカ、日本の7カ国を対象に疫学研究を開始。その結果、地中海沿岸諸国ではアメリカや北欧の国々に比べて死亡率が全般的に低く、特に心疾患に関しては食生活との関わりが深いことが明らかになったのです。【1】

この調査で興味深いのは、地中海沿岸諸国はアメリカや北欧の国々と同じように脂肪分の摂取量が多いにも関わらず、健康的な生活を送っていたということ。その後の研究で、イタリア、ギリシアなどの国々は肉などの動物性脂肪(飽和脂肪酸)を避け、オリーブオイル(オレイン酸)などの摂取量が多い傾向にあることが分かってきました。

当時はこれらの国々はまだまだ貧しく、バターや獣肉などは貴重品。食べたいと思っても、そうそう簡単に手に入るものではありませんでした。その代わり、新鮮な野菜や果物、近海で採れる魚介類や特産品のチーズ、オリーブオイルなどがよく食べられており、結果としてそれが低コレステロールで健康的な食生活につながっていたのです。

裕福な国々で食べられていた贅沢な食事よりも、貧しい国で食べられていた食事のほうが健康につながるとは、ある意味皮肉な結果と言えるかもしれません。これらの調査はやがて本として出版されると、健康的な毎日を送れる食生活として多くの人が注目するようになり、あっという間に世界中へと広まりました。

たくさん食べるべきものと、そうでないもの

健康的な毎日を送る上でぜひ取り入れていきたい地中海食。具体的には、どのような食物をどういった頻度で摂取すればいいのでしょうか。具体的に見てみましょう。

毎度の食事で摂取したいもの

・パンやパスタ、米などの穀物類

・果物、野菜

・オリーブオイル

1日1回程度摂取したいもの

・オリーブやナッツ類

・ニンニク、タマネギ、ハーブ類(塩分は控えめに)

・チーズ、ヨーグルトなどの乳製品

摂取頻度がそれほど高くなくてもいいもの

・魚介類(週2回、もしくはそれ以上)

・豆類(週2回、もしくはそれ以上)

・卵(週2〜4回程度)

・鶏肉などの白い肉(週2回程度)

・ジャガイモなどの芋類(週3回、もしくはそれ以下)

・牛、豚など赤身の肉(週1〜2回)

・甘味(週1〜2回)

【参考】THE MEDITERRANEAN DIET

上記のリストは地中海地域の農業や食料、農村開発などに関する研究を行うCIHEAM【2】により提唱されているもの。特に地中海食に関しては南イタリアのバーリにあるCIHEAM事務局と国際連合食糧農業機関(FAO)が、共同で研究を続けています。

この地中海食として食べられている食品のリストを見ると、摂取する食物の制限がほとんどないことが分かります。健康的な食事と聞くと高カロリー、高コレステロールの食品を全てカットするようなストイックなものを想像する人もいるかもしれません。
しかし、地中海食ではそういった制限はほとんどなく、肉類や甘味なども低頻度であれば問題ないとされています。健康は誰もが望むものですが、同時に美味しいものを食べたいという気持ちも心の健康には大切なこと。これなら、ストレスを感じることなく続けられると感じる人も多いのではないでしょうか。

もともと、地中海料理は和食やフランス料理と並んでユネスコの無形文化遺産に登録されるなど、世界的にも広く評価されています。太陽の恵みをいっぱいに享受した新鮮な食材を使った料理はどれも感嘆の声が漏れるほど美味しく、毎日食べても飽きることはありません。毎日の食事を豊かにし、さらに健康にもつながる地中海食を、食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

【1】 参考:足達 寿(2012)「Seven countries study 国際共同研究の意義と成果」,<https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/44/7/44_784/_pdf>

【2】 “THE MEDITERRANEAN DIET  ” ,<http://mediterradiet.org/en/publications/CIHEAM_FAO_white_book>

 

著者プロフィール:鈴木 圭

イタリア・ミラノ在住、フリーライター。広告ディレクターや海外情報誌の編集者などを経て、2012年にイタリアに移住。イタリア関連情報や海外旅行、ライフスタイルなどの分野を中心に活動しています。

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