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調理に見るフードテックでの可能性

フードテックで誰でもプロ並みの調理が可能に?

フードテックは調理分野にも浸透しつつあります。私達がよく知っている例としては、インターネット上に多数存在するレシピサイトがあります。あまりにも身近すぎるため実感がわきませんが、レシピを共有するにあたっては、インターネット・テクノロジー(IT)が深く関わっており、紛れもないフードテックの一事例です。

 またこれからいっそうの普及が見込まれるフードテックの例としては、ロボットを使った自動調理があります。これは必要な食材を記したレシピはもちろん、プロならではの調理方法までもデータ化し、それらをロボットに実行させることで、誰でもプロが調理したのと同じレベルの料理を味わえるようになるというものです。利用者は、タブレットなどのスマートデバイスでレシピを選択し、それをロボットに送信するだけです。

 ロボットに調理を任せることができれば、毎日の調理にかける時間が短縮され、負担がぐんと軽減されます。また調理だけでなく、配膳、食器洗い、キッチンの片付けなどの自動化においても、ロボットは活躍してくれることでしょう。

 ちなみに海外ではすでに、タブレットで操作できる調理ロボットが市販されています。例えば英国のMoley Robotics社が開発したモリー(Moley)という調理ロボットは、2本のロボットアームを用いて、人の手を借りることなく調理のすべての過程をこなします。アームの動きは、プロの料理人の動きを解析したものを用いているというからユニークです。

モリーは現在のところ業務用のモデルのみですが、一般家庭向けのモデルも2018年内に登場することが予告されています。数千種類のレパートリーを内蔵した調理ロボットが家庭に普及することで、プロ並みの料理が各家庭で味わえるようになるのも、そう遠い未来のことではないかもしれません。

個人のニーズに合わせた調理が実現

食材の種類まで明記された詳細なレシピと調理ロボットを組み合わせれば、人手を煩わせることなく個人のニーズを反映させた料理を提供できるようになります。これにより、一般家庭の食卓が変わるだけでなく、「患者個人個人に合わせた食べやすく安全な食事」を提供するのが使命とも言える医療や介護の現場にも大きな変化をもたらすと考えられます。

 調理ロボットを用いることで生まれるメリットは、大きく2つ。1つは、味の濃さや食材の硬さといった、個人の好みを反映した調理が可能になるということ。もう1つは、使っていい食材などがすべてデータ化されているため、調理にあたっての条件を間違えるといった人為的なミスが起こらないということです。

 特に生死に関わる食物アレルギーの問題については、アレルギーの内容をあらかじめ指定しておくことで、既存のレシピをベースにしながらアレルゲンとなる食材を除外することができるので安心です。ダイエットをしている人には、総カロリー数を設定するだけで、前回の記事で紹介した代替食品などを用いて、通常食と同じ味付けで低カロリー食を作ることもできるでしょう。もちろん、高齢者向けに飲み込みやすさを考慮した調理を行うといった調理も可能です。

 また調理ロボットの一般家庭への普及を待たずして、カスタマイズした料理をデリバリーで提供する事業者が登場することも考えられます。一般家庭からタブレットを使ってインターネット経由で料理をオーダーすると、事業者が調理ロボットを用いて注文者のニーズに合わせた調理法で料理を作り、指定場所まで配達してくれるというわけです。

 以上のように、調理のシーンにおいてもフードテックは広く浸透しつつあり、前回紹介した食料生産や、さらにデリバリーとともに、食をおおいに変えていくと考えられます。

 次回は、食品のデリバリーサービスなどにおけるフードテックの事例のほか、バーチャルリアリティを用いた「仮想料理」によるダイエットなど、時代の最先端をいくフードテックの事例を紹介します。

 

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